原状回復費用と未納家賃・明渡しまでの空家賃で7,746万円!敷金5,720万円では2,026万円不足‼︎

(株)エストコーポレーション 代表取締役 清水史浩より本社撤退戦でSOS‼︎
ITをフル活用、医療複合サービススタートアップで時代の寵児とマスコミは、連日清水を褒め称えます。ベンチャーキャピタルより資本が集まり、一気に上場する勢いであったこと覚えています。
エストコーポレーション(EST)のオフィスは、千代田区九段のAグレードビルにワンフロアー245坪、とてもセンスがよくシャープな内装設備のオフィスでした。
私は、「なぜ?こんな新しいオフィスを撤退するのか、上場準備を見据えてのオフィス撤退なのか?」と疑問でした。
CFO (某氏)と面談をし、本社撤退の理由を率直にたずねました。某氏の説明では、「業績は好調でしたが大口取引先の病院の債務不履行の為、身の丈にあったオフィスに移転、経費節減と地に足をつけ地道に事業を行います」との説明でした。
本社移転後、粉飾決算でマスコミは一斉に批判、上場申請もできません!それからニ年後、EMI(仮想通貨)詐欺で国際新聞をはじめ詐欺の疑いの記事が数多でました。
「150億円集めたデジタルコイン」詐欺?

今も目に焼きついています。
「街中にエストの旗をてる!街を作りかえる会社。封建的な医療業界から改革‼︎」
この言葉がオフィスに掲げられていたことを・・・
某氏の言葉を信じ、原状回復適正査定から明渡し代行、敷金返還まで受託することをRCAA協会としてやったのが本当によかったのか?と疑問に思います。
定期建物賃貸契約内容の確認と明渡しの問題点を「ミエルカ」
物件概要
物件 | 九段Aグレードビル6階/245.2坪 使用用途オフィス |
契約形態 | 定期建物賃貸借契約(中途解約不可) |
賃借人 | 株式会社エストコーポレーション |
賃貸人 | 某生保系不動産会社(D社) |
PM | Dビル系列管理会社(DK社) |
指定業者 | 中央ゼネコン(M建設) |
① 定借終了日(3か月後) | 空家賃計2,145万円 |
② 敷金(預託金) | 5,720万円 |
③ 初回原状回復見積金額 | 3,456万円 |
④ 再見積金額 | 2,428万円(EST当事者で値下げ) |
⑤ 合意見積金額 | 1,566万円 |
⑥ 削減額 | 1,890万円 |
⑦ 削減率 | 54.7% |
⑧ 未納家賃 | 2,145万円 |
(総額表示、千円単位四捨五入)
明渡しに必要な費用累計
①2,145万円+③3,456万円+⑧2,145万円=7,746万円
不足金額
7,746万円ー②敷金5,720万円=2,026万円
敷金以内でおさめるための戦略は3つ!賃貸人サイドと面談の結果は?
- すでに未納家賃3カ月分のため、賃貸人より解除条件は満たしています。解除を応用して空家賃2,145万円を半分にできないか?
- 原状回復費をすでに減額。新しく価値のある内装設備、居抜き退去できないか?また、賃貸人側の協力が得られるか?(家賃、敷金が高ければ居抜きは成功しない)
3,456万円 →2,484万円 →1,566万円 - 上記1、2の合わせ技で進めました。まず賃貸人と協力し、居抜きのテナントを探し、一部原状回復でお得感を訴求すること。居抜き入居が固まり次第解除として、部分的原状回復負担金清算とする。原状回復の工期分の空家賃が免除となる。
賃貸人側DK社の担当者、責任者と面談をし、上記1、2、3のすべてを全面協力しますとの即決回答をいただきました。
明らかにEST清水史浩もCFO 某氏も信用していないのがよくわかりました。こうなると原状回復が高い安いという問題ではなくなります。早く退去してほしいビル側は、請求の法務根拠に基づき債務不履行で退去を予告、法的手続きは費用も時間もかかります。
ビル側は事件にはしたくない。どうにか敷金でおさめようと思っていたことが推察できました。信用のできないテナントの不良債権回収ほど、嫌な仕事はありません。
賃貸人側は、清水史浩に電話をするも会えない。某氏と話しても埒が明かない。最後は、RCAA協会の萩原と話せて「やっと先が見えました!」とのことです。
このような面談結果で、唖然としました。
結果
居抜き入居の申込があり、部分的原状回復負担金1,566万円で合意。未納家賃2,145万円と空家賃は入居工事の工期分3ヶ月を2カ月1430万でおさまりました。
(原状回復負担金)1,566万円+(未納家賃)2,145万円+(空家賃)1,430万円
=(明渡し費用合計)5,141万円
敷金5,720万円以内でおさまりました。最後の電気水道、清掃費を差し引いて、すべてクリアです。
成果物
(原状回復負担金による削減額)1,890万円+(空家賃の免除)715万円=(合計)2,605万円
大幅削減で579万の敷金返還確定
(敷金)5,720万円―5,141万円=(敷金返還額)579万円
担当コンサルタントからのコメント
これだけのベストパフォーマンスなのにFeeの振込が確認できませんでした。やっと某氏のモバイルに繋がり催促しましたが、言い訳は病院の債権未回収とのこと。RCAA協会法務指導弁護士より厳しい内容証明の最終通知を送り、ようやく回収することができました。(敷金返還額579万円の仮差押の手続きをいつでもできる準備はしていました)
清水史浩の印象は、30歳前後の若い経営者。そして弁舌はさわやか、頭脳明晰、自慢のITスキル、海外にも詳しいグローバリストそんな印象を受けました。自分は、もう熟年なのにまだまだ人を見抜く目が甘いと反省。人間骨幹は倫理道徳‼︎何処の根っこの教育が絶対必要だと!!

萩原 大巳
【査定実績日本No.1 実績650社超のMr.原状回復】
・ワークプレイスストラテジスト
・ファシリティマネージャー
「原状回復・B工事」適正査定のパイオニア。現在、オフィス、店舗のプロジェクトマネージャーとして原状回復、B工事適正査定の他、敷金返還トラブル、資産除去債務について監査法人主催のセミナーでスピーカーを務める。