理想とする「夢の家」とは?

__僕の夢、聞いてもらってもいいですか。

ヒロミまったく興味がわかないけど、まあいいよ。

__ずばり! 「究極の家に住むこと」です。ただ、迷っているのが、マンションと一戸建て、どっちがいいかなって。ヒロミ社長は、どっち派ですか?

ヒロミ昔は郊外で一戸建てだったけど、今は都心のマンションだよ。子どもの成長とか、くらしの変化に応じて、住まいを変えていったというイメージかな。

__僕は、(1)ヒルズみたいな、最新の近代マンションで快適にくらす。(2)とことん細部までこだわる、オーダーメードの一戸建てにする。この2択で迷っているんです。

ヒロミふーん。一戸建てなら、どんな家を建てたいの?

__聞いちゃいますか? 聞きたいですか?

ヒロミ……いや、別に

__わかりました。じゃあ特別に教えますが、カナダから、セコイアの巨木を3本くらい移植して、その上に超ビッグな船の形のツリーハウスをのせたいんですよ。

ヒロミそれは、シンガポールのマリーナベイサンズを意識してるのかな……?

__正解! さすが、僕の趣味わかってますね! ところで、ヒロミ社長が考える究極の家って、どんなイメージなんすか?

その土地の木で作る、究極の家

ヒロミ昔の寺や神社って、どうやって建てていたか知っているかい?

__まったく知らないっす。

ヒロミまず宮大工の棟梁は、実際に使う敷地の周辺で、その敷地の5倍くらいの面積の山を買うことから始めるんだ。その周りの環境で育った木だけを使って、建物を作っていくんだ。

__まずは周りの山からですか。そりゃスケールがでかい。

ヒロミカナダとか北欧の木は、雪が木の上に積もる環境で育つから、幹も太くて確かに丈夫だ。しかし、日本の家屋には、柱には使えるけど、天井とか細部とかの加工をする材料には使いづらい。四季がはっきりとある日本の家屋には、やっぱり素材として日本の木が合っている。その場所で育った木なら、なおさらだよね。

__カナダのセコイアは、やっぱ無理っすかね……

ヒロミ昔の職人は、年輪の形から、その木が立っていた方角まで計算して、材料に使っていた。木は生き物だし、最適な環境で使うことで、最大のパフォーマンスを発揮してくれるんだ。それこそが、まさに究極の家づくりだと、俺は考える。

__さすが! よし、決めました。僕、まず山を買います! そしてその敷地の中に、宮大工さんに五重塔を建ててもらいます。今気づいたんですけど、五重塔って古代のマンションですよね。完成したあかつきには、ヒロミ社長にも1フロア貸してあげますね!