原状回復費を、体験談をもとに考える

企業は、5年から10年に一度オフィス移転をするといわれる。もしもオフィスを移転する際に、多額の原状回復費用をビルオーナーから請求されたらどうすればよいのか? 今回は、実際に高額の提示を受けた、東京しらかば国際特許事務所・所長の吉村俊一氏のお話を聞きながら、一般社団法人 原状回復費・適正化協会の池田文夫氏と共に、対応策を考えていく。

Speaker登壇者

  • 東京しらかば国際特許事務所
    (現・MTI特許事務所)
    所長

    吉村 俊一よしむら しゅんいち

  • 一般社団法人 原状回復費・適正化協会
    代表理事

    池田 文夫いけだ ふみお

  • 株式会社スリーエー・コーポレーション
    代表取締役

    萩原 大巳はぎわら ひろみ

原状回復のトラブルを、協会が専門企業に橋渡し

萩原今回は 「オフィス移転の際、高額の原状回復費用を提示されたら?」をテーマにお話ししていきたいと考えています。オフィス移転で高額の原状回復費を提示されるという経験をされました、東京しらかば国際特許事務所の吉村先生をお招きしています。まずは自己紹介をからお願いします。

吉村弁理士の吉村です。弁理士になって 20年、独立して18年になります。現在は、日本橋で弁理士事務所を構え、7名の弁理士を抱えております。日本弁理士会の副会長も3年ほど務めました。

萩原今回は 「オフィス移転の際、高額の原状回復費用を提示されたら?」をテーマにお話ししていきたいと考えています。オフィス移転で高額の原状回復費を提示されるという経験をされました、東京しらかば国際特許事務所の吉村先生をお招きしています。まずは自己紹介をからお願いします。

吉村ご紹介いただいた池田でございます。私は、銀行に30年、印刷会社に14年勤務しました。印刷会社時代に原状回復費・適正化サポートを実際に経験したことなどが縁となり、2017年に一般社団法人原状回復費・適正化協会を立ち上げました。当協会は、オフィス移転や原状回復費にまつわるさまざまな相談を受け、その内容によって100社におよぶ業務提携先の中から最適な企業を紹介しています。

敷金の9割弱という高額の原状回復費を提示される

萩原吉村先生は、どれくらいの頻度で、どんな目的でオフィスを移動されていますか?

吉村私は、だいたい5年ごとぐらいに事務所を移転しています。仕事の資料が増えたり、人が増えたりした際に、適正な事務所の規模に拡張しています。また、新しいところで心機一転、次の目標に向かいたいという気持ちもありますね。

萩原今回、オフィス移転をされた経験をお聞きしていきたいと思っています。吉村先生は、市ヶ谷にあったオフィスビルに事務所を構えておられ、移転する際にビルのオーナーから約250万円の原状回復費を提示されたということですね。その見積もりを見たときの率直なご意見を教えてください。

吉村今までの事務所は、オーナー会社の持ちビルが多かったのですが、敷金の半額くらいで移転できていました。その経験があったので、今回、提示された金額が敷金の9割弱におよぶため金額的に非常に高く感じ、正直驚きました。そこで、いろいろな方に相談を投げ掛け、たどりついたのが一般社団法人原状回復費・適正化協会でした。

池田今回の吉村先生の依頼は、原状回復費の交渉や適正な査定だったので、その専門家である萩原社長をご紹介させていただきました。

専門家が、高額の原状回復費を適正査定!

萩原そもそも、今回はどうして、原状回復費の専門家の手を借りようと思ったのですか?

吉村私がいくら「交渉の場を持ちたい」と先方に伝えても、拒否され続けたというのが理由です。正攻法で契約書に書いてあるからと伝えたり、懇願するような電話をしたり、あらゆる方法で交渉をしようと試みましたが、応じてはもらえませんでした。この分野においては素人の一個人では、話が全く通らないということがよくわかりました。

萩原オフィスなどの物件は、資産が非常に入り組んでいるんです。ですから、宅建士、建築士、設備士、そして法律問題が絡んでくれば弁護士など、士業連携じゃないと交渉できない特殊な業界です。逆に言えば、だからこそロジックをきちんと整理して交渉すると、適正価格に下がるんです。

池田(株)スリーエー・コーポレーションの萩原社長が交渉に入ったことで、ビルオーナーと大手管理会社は交渉に応じ、結果的に250万円の原状回復費を、およそ半額に引き下げられたそうですね。どうしてそういことが起こるのでしょうか?

萩原先方が出してきた見積もりや実際の物件を、適正な価格であるかどうか査定し、疑問点を明確にしていきます。たとえば、見積もりにはまだ使えるのに壊して新しい設備を取り付けるような無駄な費用が含まれているので、それらを無くしていきます。吉村先生は、交渉現場を間近でご覧になられて、どのように感じられましたでしょうか?

吉村現場で、萩原さんが交渉するのを見ていて、その圧倒的な知識量に驚かされ、指摘することがすべて正しく、とても感動しました。現場回復の専門家である萩原さんを通して交渉したからこそ、適正な費用まで引き下げることができたと思っています。

原状回復費用で、年間2万件のトラブルが発生中

萩原今回、査定依頼を受けて、結果、敷金の半額ほどに下がりました。その金額を見たとき、吉村先生は、どのようにお感じになられましたでしょうか?

吉村やっぱりこれくらいの金額なんだなと率直に感じました。いままでのオフィス移転の経験もあったし、引越業者さんなどに聞いて情報収集をし、ある程度の金額は予測できていたので。

萩原吉村先生の国際特許事務所は、法律にも長けており、弁護士も頻繁に出入りするような知的レベルの高い会社です。事務所移転の経験などから、大体の相場の見積もりはできていたにもかかわらず、それでも交渉の場すら持たせてもらえない現状があります。ましてや、まったく知識がなければより混乱するでしょうし、たとえ交渉に持ち込めたとしても、減額するのはなかなか至難の業です。

池田このような、原状回復費のトラブルの事例は、年間どれくらいあるのでしょうか?

萩原日本では、年間約2万件ほどあると言われています。(株)スリーエー・コーポレーションは、外資系の企業からの依頼も多く受けていますが、英語には原状回復という言葉がないという話を耳にします。古いものを大事に使う文化があるからです。

池田価格の不透明さや、交渉すらできない理不尽な現状は、先進国とは言い難い状況ですね。また、現代の脱炭素時代において、まだ使えるのものを無駄に壊してしまうのは、時代に逆行しています。

吉村原状回復費の交渉においては、誰が交渉するかが、とても大事であることがわかりました。私が話したのでは、全く話になりません。周りで、オフィス移転をしようとしている人には、積極的に(株)スリーエー・コーポレーションさんをおすすめしています。本当に、今回はありがとうございました。

プロ集団からなる士業連携でサポート!

今回の事例は、バブルの頃に建てられた築30年ほどのビルのオフィス。オーナーチェンジも行われており、30年前の現状把握もできていないのに、 敷金の9割弱におよぶ高い原状回復費用を提示してきた。大手管理会社が仲介しており、知識がないのと相まって、恐れをなして泣き寝入りする人も少なくない。

今回のように、弁理士という法律にかかわる職種に就いている人物であっても、交渉にすら応じてくれない現状があり、一般の企業であればなおさら。だからこそ、士業連携による原状回復費の適正化が必要となる。「業界の不透明さを無くし、スクラップ&ビルドなどによる資源の無駄をなくしたい」、(株)スリーエー・コーポレーションは、そんな信念を抱き、日々活動している。