オフィスには、リユース資源が眠っている

オフィスの解体や原状回復工事の過程では、さまざまな廃棄物が出る。その中には、実はリユースして使える貴重な資源がたくさん眠っている。リユース・パートナー株式会社では、そんなオフィスや工場の有価資源に着目し、それを回収して買い取るという、業界のタブーに挑むビジネスを展開している。同社の蒲池専務からお話を聞いた。

Speaker登壇者

  • 株式会社スリーエー・コーポレーション
    代表取締役

    萩原 大巳はぎわら ひろみ

  • リユース・パートナー株式会社
    専務取締役

    蒲池 誠がまち まこと

「一般建設業許可」と「古物商」という2つ顔!?

萩原私は、オフィス移転時の原状回復費の適正査定をしている、スリーエー・コーポレーションの萩原です。今回のテーマは、「オフィスの資源を買い取って、原状回復費を削減!」です。リユース・パートナー株式会社の蒲地専務に、お話をうかがっていきたいと思います。

蒲地私たちリユース・パートナーは、建設リサイクル法にのっとって、原状回復工事におけるリユースに力をいれている会社です。原状回復工事のリユースというと、オフィス家具など什器類の買い取りをイメージする人が多いかもしれませんが、私たちはさらに一歩踏み込んで、オフィス工事の過程で出て来るさまざまな有価資源のリユースを実施しています。

萩原天井の空調機を取りはずして銅管を回収するなど、解体作業の中で出て来る価値のある資源に着目しているということですね。

蒲地その通りです。私たちは、「一般建設業許可」と「古物商」という2つの顔を持っています。オフィスの原状回復・解体・改修といった工事に携わりながら、その過程で価値ある資源を取り出し、それを買い取ることで全体のコスト削減を試みているんです。

コストが下がるだけでなく、環境にも優しい!?

萩原オフィス移転にともなう原状回復工事は、すべてを壊して新しい内装を作り上げる、スクラップ&ビルドが一般的です。使える資源を買い取ることで全体の価格を下げて、さらに資源の再利用になるため環境にも良い取り組みとなれば、言うことなしですね。

蒲地リユース・パートナーでは、世の中の廃棄物を減らすということにはそれほど重きを置いておらず、あくまで工事する現場からできるだけ多くの有価資源を取り出すことを最優先事項として取り組んでいます。ただし結果的に、廃棄されてしまう物から、使える資源を取り出して再利用しているので、環境への配慮につながっています。

萩原オフィスの中には価値ある資源がたくさんあるのに、それらをわざわざお金をかけて廃棄している現状は、本当に無駄だし、もったいないことです。

蒲地そうですね。実際に、お取引先企業様の中には、私たちの取り組みに価値を見出していただいて、CSR(企業の社会的責任)報告書や、投資家等へ向けたIR情報に、活用事例を載せていただいている例もあります。

建設・解体業界のブラックボックスを開示する!?

萩原実は解体現場などでは、有価資源の存在は昔からよく知られています。大規模な解体工事では、トラック5台分の銅が出て2000万円ほどのボーナスになったというケースも。また、解体現場で廃材を分別しているのは、後で専門の業者に少しでも高く売るための工夫です。

蒲地解体現場の有価資源は、まさに業界のブラックボックスです。現在、マニュフェスト制度が導入され、産業廃棄物を運び出すトラックは、積載量を記録して5年間保存することが義務づけられています。その数値を見てみると、中には最大積載量の半分の重量の積載量しか記載されていないケースがよくあります。

萩原つまり、残り半分の荷物は、有価資源をこっそり運び出している可能性があるということですね。

蒲地その通りです。このマニフェスト制度は、不法投棄を防ぐのが主な狙いですが、チェック機能がないため、有価資源の持ち出しにおいては全く抑止力にはなっていません。

萩原インターネットなどの影響で、少しずつ社会が透明化し、その流れが実際の社会や経済にも広がっています。リユース・パートナーさんの取り組みも、そのひとつですね。

蒲地同業者から「パンドラの箱を開けるな!」と言われたこともあります。しかし、これからも我々は、利用される企業様に、正しく還元されるしくみを目指していきます。オフィスでも想像以上にリユース資源はありますし、特に工場などは鉄の要塞といえるほど、多くの資源がたくさん眠っているんです。

21世紀型の利用者目線の事業を目指して

20世紀の建設・解体業界は、大手建設会社が系列の子会社とともに、囲い込みの工事をするのが一般的だった。産業廃棄物の中に眠っていた有価資源は、その本来の持ち主の知らないところで、こっそりと換金されて業者の懐に入っていたということだ。21世紀は、情報開示や透明化が進み、利用者にとってメリットがあり、環境にも優しい事業が求められている。オフィスや工場の有価資源にも着目し、業界のブラックボックスに果敢に切り込んでいるリユース・パートナー。そして、原状回復費を適正査定するプロ集団のスリーエー・コーポレーションは、そんな取引先企業と手を取り合い、真に利用者の立場で考えた、21世紀型の事業の展開を目指している。