まずはオフィス移転の目的を明確にする
第4回は「オフィスの移転、理想の経営を実現するには?」です。今回は、オフィス移転を通して、理想的な経営を実現する方法を探っていきます。
現在のオフィス移転は、ただ場所を移すという話だけにとどまりません。オフィスのレイアウト変更を通して社員の作業効率を向上させたり、ICTを導入して業務のやり方を大きく変えたり、これまでの会社の経営の在り方をチェンジするきっかけとなります。
まず最初に行うべきは、「オフィス移転の計画」を立てることです。オフィス移転をする目的をはっきりさせましょう。表にして整理するとわかりやすくなります。
オフィス移転の目的
目的 | 理由 |
---|---|
なぜオフィス移転をするのか? |
・テレワークが増え、出勤者の数が減った ・賃料を安くしたい ・働き方改革を実現したい ・BCPの観点から安全なビルに移転したい ・ICTを導入し、業務を効率化したい |
さらに、働く社員の声をきいてみるのもよいでしょう。日々の業務の中で社員が感じている現在のオフィスの問題点や、新しいオフィスに求めることが見えてきます。
オフィス移転についての社員の声
質問 | 解答 |
---|---|
現在のオフィスの問題点は? |
・レイアウトが効率的ではない ・取引先の来訪時によく迷う ・ショールームが古臭い ・会議室が空いていないことがある ・家具が古い |
新しいオフィスに求めるのは? |
・休憩スペースがほしい ・オンライン会議ができるスペースがほしい ・おしゃれなオフィス空間 ・駅から近いとうれしい ・ITCやDXの導入 |
会社としての課題は? |
・知名度が低い ・業務を効率化する必要がある ・会議が長い ・アイデアに乏しい ・他部署と仲が悪い |
オフィス移転のコンセプトを練る
オフィス移転の目的や、現在のオフィスの課題が見えてきたら、新しいオフィスのコンセプトを練っていきます。
その際に、大切にしたいのは、会社としての理念(ミッション)です。理念とは、その会社を作った目的や、会社経営を通して世の中にどのような貢献をしたいいかという指針です。意外に思われるかもしれませんが、企業の理念は、移転のコンセプトを考えるうえでもとても大切です。
オフィス移転をするといっても、予算やスケジュールなどの制限もあり、すべての目的や要望を叶えられるわけではありません。何を最優先にしていくか、取捨選択をしていくことが求められます。その際に、個人の好みではなく、企業理念に照らし合わせて取捨選択していくことで、公平性があり、納得感のあるオフィス移転のコンセプトが出来上がっていくことにつながります。仮に、次のような移転コンセプトを作ったとして、その後の展開を考えていきましょう。
オフィス移転コンセプト
・競争力のあるクリエィティブな組織を実現する
・業務をスリム化し、本部機能をコンパクトにする
・ショールームを作り、文化の発信基地にする
「空間設計」や「DXの活用」で移転コンセプトを実現
このようなオフィス移転のコンセプトをもとにして、「1 空間設計」「2 DXの導入」といった視点から、どのような手段で実現できるかを考えていきましょう。
1 空間設計
オフィスのレイアウトや、家具、間仕切り、オブジェなどの空間設計の視点から、どのようなことができるか考えていきます。デザイン会社などの専門家のアドバイスを得ながら考えていくのも良いでしょう。コミュニケーションを活性化させるのか、個人が集中できるスペースを重視するのか、またはその両方をバランスよく組み込んでいくのかなどを検討しましょう。シェアオフィスなどのサードプレイスの(第三の場所)の活用や在宅勤務についても同時に考えていく必要があります。
2 DXの導入
DXは、デジタルトランスフォーメーションの略で、ITを活用することで、ビジネスを変革し、企業の収益を得る仕組みづくりを目指すことです。現在の業務の問題点を洗い出し、ITを活用し、業務の効率化、経営のスリム化など、さまざまな課題解決につなげていくことができます。テレワークを推奨しつつ、出社しなくても情報共有できる仕組みを構築するなど、働き方改革に取り組むこともできます。専門家のアドバイスを得ながら実施していくことがおすすめです。
移転コンセプトを実現する
移転コンセプト | 「空間設計」「DXの導入」による実現の手段 |
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競争力のある「クリエィティブな組織を実現する」 |
・レイアウトを工夫し、部署を越えた交流や連携を作る ・テレワークなどを活用し、働き方の自由度を高める |
「業務をスリム化し、本部機能をコンパクトにする」 |
・本部業務を、IT技術を導入し大幅削減する ・本部のオフィスを縮小する |
「ショールームを作り、文化の発信基地にする」 |
・WEB上にデジタルのショールームを作る ・SNS等を活用して、企業の取り組みを発信する |
もうひとつ大切なのは、多くの従業員を巻き込みながら、オフィス移転を進めることです。あらかじめ聞き取った従業員声の中で、実現できるものは積極的に実現していくことで、実のあるオフィス移転となっていきます。オフィス移転後も、できるだけ従業員の声に耳を向けて、改善させていきましょう。
移転にかかるコストを抑え、その分を将来に投資する
オフィスの移転に様々なコストがかかります。その中でも、オフィス退去時の原状回復工事費など、出費がかさむことがよくあります。そのようなコストをできる限り抑えて、新しいオフィスの「空間設計」「DXの導入」にコストをかけて、未来のビジネスを育てる環境を整えていくことが大切です。
そのためのパートナーとして、スリーエー・コーポレーションをご検討ください。スリーエー・コーポレーションは、オフィスの退去時の交渉やオフィスの空間設計のアドバイスなどの専門家集団です。古いオフィスの退去から新しいオフィスの入居まで、オフィス移転をトータルでサポートすることができます。
スリーエーコーポレーションより
原状回復アドバイザー 堀田 猛
オフィス移転は、企業の再構築(リエンジニアリング)やOX(オフィストランスフォーメイション)の一環で行います。
広いから・狭いから・古いから・イメージアップや立地特性により移転を決意します。
しかし移転には多大なるお金と労力・時間がかかります。その外部からサポートをする職種の選択も移転作業の始まりです