オフィス移転で原状回復トラブル1億42万円!
クライアント(Turner Japan)の紹介・原状回復トラブルの経緯
ターナージャパン株式会社(以下、Turner)は、世界で有名な大手メディア、ワーナー・ブラザーズの出資会社です。CNNはTurner傘下のNewsメディアです。TurnerのアジアのGM兼Turner Japanの最高責任者がトム・ペリー氏です。
彼の指示で、法務部企業内弁護士より(株)スリーエー・コーポレーション (以下、3AC)のWebにお問合せメールが届きました。相談内容は、
ビルオーナーサイドのPM担当責任者に解約予告をお知らせしたところ、「原状回復はオーナーの指定する業者で施工するのは当たり前、金額も驚愕の1億42万円(総額表示)、多少の値引きは検討してやっても良いよ」そんな印象を受けました。納得できません。
そこで、社内で法務に精通する企業内弁護士より3ACに問合せしたとのことでした。
決め手は、BBC英国放送の削減実績、削減率44%です。その時の担当だった原田さんに事実確認し、裏取りのうえ依頼しました。
(Turner トム・ぺリー氏よりヒアリング)
3ACに原状回復適正査定依頼、結果は1億42万円→6,318万〜6,426万円、予想削減額は3,700万円
※全て総額表示となります。
物件 | 東京都中央区銀座 新橋エリア |
借主(クライアント) | Tuner |
貸主 | MTBより→新賃貸人:N不動産(オーナーチェンジがおこなわれた) |
原状回復見積 | 1億41万8,400円 |
適正査定金額 | 6,318万円〜6,426万円 |
合意金額 | 6,426万円 |
削減額 | 3,777万8,400円 |
削減率 | 37.6% |
※外資系オフィス移転責任者必見 英語Ver.「原状回復高い5ツの理由」
協議のポイントは3つに要約 代理人(Power of Attorney)の力で正当な圧力をかけた!
物件協議で一番重要なことは、クライアントと技術法務アドバイザーとの信頼関係、オフィス移転プロジェクトマネージャー(以下、PMR)、3社の目的と情報共有とチームワークです。入念な現地調査の結果、電気、空調、換気、防災、その他設備で見積との整合性に疑問を感じました。PMRはグローバル不動産デベロッパーCBREのS氏(以下、S氏)です。
物件を築年数から逆算すると電気、空調、換気、防災、その他設備の改修工事による設備機器交換の形跡がなく、このファクトに疑問を感じた3ACはS氏にTurner退去後のビル側のリーシング方針を尋ねました。
内容は再契約不可の定期建物賃貸借契約であり、この情報で全てのモヤモヤが解決しました。
要約すると、好立地の竣工時は大型プレミアムビル、前ビルオーナーは転売目的か、できる限りBM(建物維持管理)にお金を投資しませんでした。現在のビルオーナーは建て替えを前提に購入し、建て替えは必ず行う、お得感のある定借契約でリーシングする。悪くいえばその期間だけ、騙し騙し古い設備を一定期間使用することです。
このファクトを基にリーガルレターを作成し、RCAA協会法務担当弁護士であるN弁護士に協議を依頼し、3AC萩原、越川は同席として技術サポートに徹しました。
3つのポイント
- 電気その他設備の定期的なメンテナンスの情報開示と説明責任
- 原状確定の証の開示
- 原状回復工事の検査の立会いを要求
①②③の情報開示と説明責任を公文書で賃貸人代表に通知しました。
賃貸人サイドと面談し、結果、前ビルオーナーのメンテナンスの情報開示もできず、前ビルオーナーとTunerで原状確定した証もないのに原状回復ができるのか?原状に復旧することが原状回復です。最後のダメ押しは、
【萩原】「電気、その他設備を改修した時期、おそらく25年前ですよね、そこ本当に復旧するんですか?N不動産さん。検査はしますよ。落とし所は、原状回復はオーナーの好きなようにやっていただいて、やってもやらなくても良いですよ。次のテナントの入居工事と一緒に工事しても良いですよ。」
それで6,426万円の原状回復負担金で合意した。円満解決、敷金はすみやかに返還。 合意の当月末に弁護士の預かり口座に敷金返還が履行されました。
クライアント トム・ぺリー様よりコメント
良い仕事してくださいました。萩原さん、ありがとうございました。新しいオフィスの資産除去債務の原状回復査定もお願いします。
本件担当リーダーよりコメント
とにかくTurnerは決断が早く、スタッフも法務ならこの人に相談、など適材適所でスペシャリスト活用がうまいです。
関係各位全て共有、アドバイザー契約締結も早く、法務チェック、質疑応答も明快です。
そんな印象をもちました。ペリーさんをはじめスタッフの皆様ご協力感謝します
ペリーさんから素敵な年賀状も頂きました。資産除去債務もキッチリやらせていただきます。ありがとうございました。
萩原 大巳
【査定実績日本No.1 実績650社超のMr.原状回復】
・ワークプレイスストラテジスト
・ファシリティマネージャー
「原状回復・B工事」適正査定のパイオニア。現在、オフィス、店舗のプロジェクトマネージャーとして原状回復、B工事適正査定の他、敷金返還トラブル、資産除去債務について監査法人主催のセミナーでスピーカーを務める。
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