B工事適正査定とは、賃貸借契約書で入居工事(原状変更)をA工事、B工事、C工事の工事区分に基づき区分けをおこない、賃貸人指定のB工事を47都道府県の建築施工管理体制、入札基準単価に基づき「ミエルカ」したB工事見積内容をB工事適正査定と定義しております。

オフィス・店舗入居時の高額なB工事にはご注意を!

オフィス・店舗入居時には原状変更にともないB工事が発生!そしてB工事は高い!

オフィス・店舗の入居時には、従業員が仕事しやすいようにデザイン設計をおこないます。
オフィス・店舗の入居工事(原状変更)が発生します。ビル側の資産をA工事、テナント側の資産をC工事と表現しています。テナントの要望でデザイン設計により原状変更が発生します。ビル側資産とテナント資産がつながる建築物として一体になるところがB工事といいます。また、電気、空調、防災その他設備に除去、移設、増設、リニューアルキットなどの改善が行われます。これをB工事と呼ばれています。これは、相見積ができない工事です。ビル側の業者以外に工事をすることができないため、非常に高額になりやすいです。また、インテリジェントビルはすべての設備がつながってセーブメーションを実施しております。インテリジェントビルほど高額です。近年は、ハード以外にソフト工事があります。その工事も相見積は不可能です。工事には、誰が工事を行うのか、その費用を誰が負担するのかという区分があります。
内容がわからないまま業者に丸投げしますと情報量の格差でビル側業者に指導権を取られ、ビル側のいうがままになりテナントが負担しなくてもよい工事までさせられるケースが多く見受けられます。後々トラブルが起こることもあるので注意しましょう。

今回は、オフィス入居時に発生する工事区分であるB工事について、気をつけるべき4つのポイントをご紹介します。

オフィス・店舗のB工事とは

オフィス・店舗のB工事とは、工事区分でA工事、B工事、C工事と定められたB工事区分をB工事と呼んでいます。一般的には、テナントが費用負担し、ビル側業者の指定で工事を行います。各ビルごとにA工事、B工事、C工事は異なりますので賃貸借契約書の入居工事(原状変更)、工事区分、仕上表を熟読しご理解ください。難易度が高いため、専門家に相談することをお勧めします。

発注業者の選定費用負担
A工事ビルオーナービルオーナービルオーナー
B工事テナントビルオーナーテナント
C工事テナントテナントテナント
工事区分表

工事区分は、誰に権限がある工事なのかを明確にしています。

  • 「A工事」ビルの躯体部分、共用施設に関わる部分
  • 「B工事」テナント側の要望により、ビルオーナーの権限で行う工事
  • 「C工事」テナント内部の工事など、テナント側が発注して行う工事

例えばパーティションを作るとします。
その際、パーティションの上にエアコンがあった場合、エアコンを移動させる必要が出てきます。
(天井の感知器や照明器具またスプリンクラーなども同様です。)
天井設備はビルオーナーの資産ですので、これを除去・移設・増設することはB工事となります。

C工事を行ったことによってB工事も同時に発生するケースがあります。
例えば、背の高いキャビネットを設置したとします。
設置すること自体はC工事です。しかし、これが原因で天井のスプリンクラーの動作が阻害される場合、スプリンクラーを移動させなければいけません。
この場合も、スプリンクラーという「オーナー資産」に手を加えることになるため、B工事になるわけです。

また、家具什器を配置した時には、電源や電話通信、LANケーブルなどを複合機などOA機器や各デスクまで配線したりします。
これも、ビル側の天井内やOAフロアなどの中を配線工事したりするので、ビル側の指定する業者で行うB工事になることがあります。

さらに、飲食店や有設備区画では、給排水衛生設備・ガス設備・空調換気設備・防災設備などはB工事の場合が多いのです。

B工事の例

  • 天井設備
  • スプリンクラー
  • ビル側の天井内やOAフロアなどの配線工事
  • 給排水衛生設備・ガス設備・空調換気設備・防災設備

※上記はB工事となりますので工事区分を確認してください。

なぜB工事は、ビル側の指定業者を使う必要があるの?

B工事では入居者の区画内であったとしても、ビル全体の施設・安全性・工程に影響を与える可能性がある部分に関しては、様々な規制があり、自由に工事をすることができません。そういった規制を遵守するために、設備などの重要な部分の工事はビルの指定業者が行うのです。
また、A工事の追加で必要な工事もこれに含まれます。

問題点

  • 相見積がとれないため金額が分からない
  • そのため極めて高額のケースが多い
  • 金額交渉が困難(専門的な知識が必要なため)
  • 見えない部分の工事が多く、施工方法や施工レベルが不明

入居時のオフィス移転プロジェクトマネージャー、店舗新装プロジェクトマネージャーはB工事減額協議をするの?

入居図面を作成する場合、デザイン設計会社がPMr.(プロジェクトマネージャー)を行うことが多いです。
オフィス・店舗の入居時のB工事が高額な原因は、ハイレベル、ハイグレードな設計、ビル側B工事指定業者の高額積算のためです。一般的にプロジェクトマネージャーは、ビル側業者と継続的に入居工事をおこなうため、あまり無理をいえないためです。

オフィス・店舗のB工事費用が高額な理由

  • ハイレベル、ハイグレードな設計(ハイスペック)
    ハイグレートな設計により、B工事を行うと高額な費用が掛かってしまいます。実は、設計変更によりローコストに抑えることが可能です。
    ※VECD(バリューエンジニアリングコストダウン)など
  • ビル側B工事指定業者の高額積算
    ビル側の施工体制にもよりますが、大手総合建設会社(ゼネコン)や大手不動産会社の場合は、「仮設が命」とばかりに過剰な仮設(直接仮設、共通仮設、特殊仮設など)過剰計上が多く見受けられます。また経費は各工事項目に諸経費があり、その上に全体諸経費と二重計上してきます。これは、大きなコスト高の原因です。

設計事務所やオフィス移転・店舗新装プジェクトマネージャーは、この②の減額協議をすることをできるだけ避けたいところです。
なぜならば、同じビルオーナーとは入居時や改装時にお世話になっており、あまり「嫌われたくない」のが本音なのです。

B工事費用は、どうしたら減額できるの?

オフィス・店舗のB工事費用の削減時には以下の理由で思うような費用削減ができないですよね。

原因

  • 入居するテナントは、設計施工のことは詳しくない。
  • 通常の業務のほか、移転業務が発生し、慣れない業務のため手が回らない
  • 設計事務所やプロジェクトマネジメント会社ではVECDにより減額できたが、市場原理にはほど遠く適正価格にはできない。

工事の見積書は、仮設・資材単価・施工労務費(人工)・経費の4つで構成されており、設計図・工程・工事制約(搬出入やビル運営のルール)により数量を算出します。B工事とは目視ができない工事、相見積ができない工事なのです。そのため工事価格を算出するには、経験や実績が豊富なプロフェッショナルでなければなかなかわからないものです。
無理に削減対応して、逆に費用がかさむことがありえますので、まずは、プロに頼むのが確かなコスト削減の方法です。