オフィス見直しで集約 明け渡しに伴う原状回復費669.6万円削減!削減率38.3%
クライアント紹介
社名の「Benesse」はラテン語のbene (正しい、より良い)を意味する。「esse」(生きる、暮らす)を著している。「Benesse」は造語で、企業理念を表現している。
「一人ひとりが主体的に人生を切り開いていく事を生活、教育、語学、福祉の分野においてお手伝いする会社になろう。」
Benesse関連会社で語学教育のサイマルグループは、(株)スリーエー・コーポレーション(3AC)の原状回復・B工事適正査定の継続的取引先のクライアントである。
Benesseは、2022年3月末決算では売上4,320億、純資産は5,406億と常に関連業界企業とM&Aを繰り返し、オフィスと拠点を見直している。
今回は、千代田区のハイグレードビルの明渡しに伴う原状回復適正査定の実例を紹介します。
原状回復費用1749.6万円→1080万円に!削減額は669.6万円、削減率は38.3%
物件名 | 千代田区 ハイグレードビル |
使用用途 | オフィス、打合せエリア兼応接エリア 158.9坪 |
貸主/PM | 大手デベロッパーM不動産系列/Mマネージメント |
指定業者 | 中央ゼネコンN建設 |
借主 | 株式会社ベネッセコーポレーション(以下、Benesse) |
原状回復見積 | 1,749.6万円 |
適正査定金額 | 1,080万円〜1,188万円 |
合意金額 | 1,080万円 |
削減額 | 669.6万円 |
削減率 | 38.3% |
※全て総額表示となります。
貸主サイドも大手デベロッパーグループ企業と中央ゼネコンN建設であるため、借地借家法も建築基準法もビル官法も詳しい強敵である。借主のBenesseも経験豊富な管理部門、調達のエキスパートチームである。
数回の協議の結果提出された見積について賃貸人サイドN建設担当責任者曰く、「筋肉質の原状回復見積1749.6万円です。」
こちらも査定書作成の時からN建設としては安いと感じていた。またC工事解体撤去廃棄は原状回復見積から除外されている見積であり、C工事解体廃棄はBenesse側業社で行うことが貸主、借主とも合意済みであった。難易度の高いプロの協議の実例である。
協議のポイントを3つに絞り込む 賃貸人サイドの回答は?
入念な現地調査の結果、入居工事(原状変更図書)、貸し方基準図書も正確であり、面積数量も確かである。賃貸借契約書も漏れがない。 弊社担当リーダー堀田 猛と萩原で適正化戦略のポイントを3つに絞り込んだ。
- ゼネコン特有の仮設準備工事、共通仮設、直接仮設、特殊仮設、粉塵機,架設照明、作業終了後の清掃費、警備員費、全て直接工事をやるための準備工事ばかりである。
- 中央管理室の電気、空調換気、防災、その他設備のソフト(データー変更)配線工事
- それぞれの工事項目に諸経費が計上、その上に会社経費、全体諸経費の二重計上
改正民法では①②③の工事を明文化しており、「貸主に理解させ証を残す責任は全て貸主にある」とより明確になっている。
しかし、このビルの入居は2020年4月以前の契約であるため、「改正民法の適用外」である。
これに対し、スリーエー・コーポレーションのロジックはシンプルである。
- 入居工事のデザイン&ビルド会社の仮説準備工事は、搬入通路、搬出通路の養生しか仮説工事に計上されていない。このことは同ビルの施工においてもテナント推薦業社の仮設工事でも何ら問題のない証である。
- 中央管理室の貸し室以外の工事であり、配線の数量も配線の張り替えも目視では不可能である。従って材料費の明細の提示と労務費(人工)精算を強く要望する。
- 諸経費の計上について、二重計上は拒否。入居工事のデザイン&ビルド会社と同じ全体諸経費とする。諸経費、会社経費、現場管理費仮設準備工事を除く直接工事の20%のコストオンは認める。
①②③の意見書をリーガルレターとして通知し、査定書とデザイン&ビルド会社の相見積もりを参考資料として通知した。もちろん賃貸人サイドへの通知は代表取締役宛である要望金額は918万である。
賃貸人サイドN建設の最終回答が1,188万円であった。1,080万円であればBenesseを納得させるが、このまま譲歩しなければ弁護士に委任し918万を要求し紛争もあり得ることを伝え、1,080万円で痛み分けの合意とした。
クライアント担当リーダーS様からのコメント
ご苦労様でした。流石プロフェッショナルです。
原状回復・B工事は指定業者制度の弊害で市場原理が働かない。利権化していますね。
海外では原状回復も指定業者もないし、共産主義の中国の都市でもありません。おかしくないですか?日本は。 サイマルインターナショナルも適正査定でお世話になっているようなので今度はBenesse 東京ビルで打合せしましょう。Benesseの歴史も文化もプラネタリウムも地域に公開していますし、喫茶軽食エリアはお薦めです。修学旅行でよく見学に来てくれます。最近はコロナ禍で見学客も激変していますが、そのうち治るでしょう。
担当コンサルタント萩原のコメント
ハードなネゴでした。神経戦は疲れます。成功の要因は担当リーダー兼技術アドバイザーの堀田 猛がクライアントに信頼されている事に尽きます。
ビル側も空気を読んで、クライアントに電話やメールで非弁行為や「このまま合意ができませんと遅延損害金の対象になる」など不安を煽り3ACとクライアントの仲を割いてきますから。一番骨が折れるのはこれなのです。
失敗する原因は、クライアントをしっかりグリップできているか?で決まります。信頼してくれるリピーターは本当に有り難いです。
削減サポートを行った担当コンサルタント
萩原 大巳
【査定実績日本No.1 実績650社超のMr.原状回復】
・ワークプレイスストラテジスト
・ファシリティマネージャー
「原状回復・B工事」適正査定のパイオニア。現在、オフィス、店舗のプロジェクトマネージャーとして原状回復、B工事適正査定の他、敷金返還トラブル、資産除去債務について監査法人主催のセミナーでスピーカーを務める。
コンサルタント 堀田 猛
【店舗展開の内側も外側も商業施設のエキスパート】
商業施設の企画・誘致・設計・施工に数多く携わり、資産区分(工事区分)の策定のエキスパート。
現在は、原状回復・B工事適正査定員としてコンサルチームの統括リーダーを勤める。業界ではサイバーエージェントグループの原状回復、B工事査定実績は知る人ぞ知る実績である。
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これで原状回復もB工事も指定業制度の法理が簡単にわかります。