居抜きで退去!原状回復費は3,770万円の減額
一部原状回復で5,710万円→1,940万円、削減率66% 削減額3,740万円
クライアント紹介・スリーエー・コーポレーションに原状回復適正査定を依頼した経緯
Z社(本社東京都港区虎ノ門 東証プライム<証券コード:3679>)は、創業15年のインターネットメディア企業である。2022年度版統合報告書では、Z社らしさ(価値創造モデル)を発表した。
本社を新宿区より港区に移転するも、退去の原状回復費が5,710万円とあまりに高額だったため、Web検索で原状回復コンサルの実績が多い一般社団法人RCAA協会会員株式会社スリーエー・コーポレーション(以下、3AC)に原状回復適正査定を依頼した。依頼の決め手は、3ACに原状回復適正査定、移転先B工事適正査定を委託した知り合いの会社に裏付けをとったことでした。その後正式に委託しました。
(オフィス移転責任者 経営戦略室A氏よりヒヤリング)
賃貸借契約内容 居抜き退去(一部原状回復)マッチング成功のワケ
※全て総額表示となります。
物件名称 | 新宿区某ハイグレードタワー5階 294坪 (以下、HTオフィス) |
使用目的 | 多目的ハイブリッドオフィス |
借主 | Z社 |
貸主 | MZ社 |
PM・指定業者 | MP社 |
初回原状回復見積 | 5,710万円(※千円単位四捨五入)/坪単価19.5万円 |
原状回復適正査定 | 3,800万円〜4,200万円 |
一部原状回復見積 | 2,430万円(半分居抜き退去)/坪単価8.3万円 |
一部原状回復合意見積 | 1,940万円(半分居抜き退去) /坪単価/6.6万円 |
削減額 | 3,770万円 |
削減率 | 66% |
敷金(預託金) | 9,505万円 |
敷金返還額 | 7,565万円 |
資産除去債務 | 1,940万円/坪単価6.6万円 |
居抜き退去の成功のポイントは4つに要約される
- 借主MZ社が借りてほしいと思う優良テナントであることで賃貸人の全面的協力が得られる。賃貸借条件をサバ読みせずズバリ開示してくれること(応相談は避ける)
- 好立地、スーパープレミアムでハイスペック、共用部が充実していて希少価値
- 新しくデザイン性に優れた価値のある内装設備(退去テナントの内装設備)
- 次のテナントのカスタマイズに親切に対応、Z社の原状回復義務を承継することへの承諾、資産譲渡リスト作成、瑕疵担保責任の明確化など煩雑な実務を速やかに行うこと(専門家によるクロスファンクションチーム)
上記4つの事項をZ社は満たした。(この条件をクリアできる居抜きオフィス物件は希少価値のオフィス物件である)
貸主側MZ社・MP社が「原状回復の指定業者」という儲かる機会を損失してまで居抜きに応じる
法務根拠はないが、「環境に優しく、なるべく廃棄物を少なくする(CO2削減)」と大手デベロッパーは宣言しています。
そこをお願いのご通知として、貸主側キーパーソンを巻込み地球に優しいオフィス移転に協力していただく以外成功はないです。ビル側担当者に相談すると「法令遵守、賃貸契約書通り履行して下さい」で終わりです。好立地で築浅のハイグレード・ハイスペックのビルは入居希望者に困りません。
退去テナントのエージェントとして相談できる専門家を選んでください。手数料無料の業者は誰から手数料を貰うのか? ビル側から手数料を貰う業者は、基本的にビル側の代弁者です。
では、誰に相談するか?1番のポイントです。ここをZ社の経営戦略室A氏は良く理解していたのです。
半分居抜きでも高い原状回復費2,430万円とは?原状回復適正査定で「ミエルカ」合意金額1,940万円
貸主側(MZ社とMP社)には、半分居抜き退去を認めてやったのにという感情があります。5,710万円の原状回復費を2,430万円にしてやったのにと。Z社は工事範囲が6割無くなったので、その原状回復費を適正価格で発注する法務根拠があります。「民法の原則」、そこで3ACはZ社の移転責任者(最終決裁者)である執行役員に1,940万円(坪/6.6万円 資産除去債務計上金額)で円満合意する方法を説明しました。
次の策は代理人のチカラ(Power of Attorney)弁護士活用です。ここで弁護士に原状回復適正査定書(エビデンス)を使い、ビル側の原状回復費用がいかに高いかを「ミエルカ」して説明する協議となります。
具体的には、目視で確認できない、電気照明、空調換気、防災、セキュリティ、給排水、その他設備を材料費、労務費、データ変更(ソフト工事)、仮設準備、諸経費をミエルカしました。東京都の推薦する建築基準と価格積算方法と近隣芒種のビルと比較して、高額であることを技術アドバイザー3ACの堀田 猛が説明し、その説明を法律の専門家RCAA協会法務指導弁護士N先生が優しく法務解説しました。納得の1,940万円の円満合意です。
驚くことにビル側は本件責任者はじめ8人が協議に参加しています。それでも一番儲ける会社はビル側です。半分原状回復と居抜きの入居工事(原状変更)を同時に進めます。次のテナントが決まるまでの空家賃も手数料もありません。実務が煩雑になるだけです。(どこまでも強い財閥系デベロッパー、既得権益社です)
法務根拠に基づき、借主の正当な権利を主張して下さい。
Z社グループのさらなる発展(クライアントよりコメント)
その後、Z社の経営企画室からアップルワールドを紹介していただき、メトロボリタン某ビルの原状回復適正査定依頼がありました。そしてアップルワールドから(株)リジョブを紹介していただき、新宿区のMCEビル316坪の原状回復適正査定の受託をしました。
最後にクライアントのメールをご紹介します。
差出人:リジヨブ KY様
宛先 :3AC 堀田 猛
件名 :Re:原状回復
「いつもお世話になっております。素晴らしい成果ですね、ありがとうございます!役員に確認したところ、[1]通知書対応はせずこの内容で合意する旨の指示がありました」
[1] 公文書による内容証明通知書
担当の原状回復適正査定コンサルタント
コンサルタント 堀田 猛
【店舗展開の内側も外側も商業施設のエキスパート】
商業施設の企画・誘致・設計・施工に数多く携わり、資産区分(工事区分)の策定のエキスパート。
現在は、原状回復・B工事適正査定員としてコンサルチームの統括リーダーを勤める。業界ではサイバーエージェントグループの原状回復、B工事査定実績は知る人ぞ知る実績である。
技術アドバイザーとしてサポートした専門家・記事を書いた人
萩原 大巳
【査定実績日本No.1 実績650社超のMr.原状回復】
・ワークプレイスストラテジスト
・ファシリティマネージャー
「原状回復・B工事」適正査定のパイオニア。現在、オフィス、店舗のプロジェクトマネージャーとして原状回復、B工事適正査定の他、敷金返還トラブル、資産除去債務について監査法人主催のセミナーでスピーカーを務める。