原状回復の裏側を語る! 東証1部上場ゲーム開発会社 A社編(4)

ヒロミの部屋

若い成長企業が、今後の働き方をリード

「これまでクライアントのA社とは、本社オフィスの移転後もこまめに連携し、原状回復費の交渉にのぞんできました」

ひろみ

時間はかかったけど、敷金も返還されオフィス移転も済んでいた。なんといってもA社は業績好調で財務状況も安定しているので、安心して見守ってもらっていた

「創業10年の勢いのある企業で、社員もみんな若くて活気がありました。オフィスもカラフルで、明るい雰囲気でいいですよね」

ひろみ

グローバルな企業だから、コロナ禍のリモートワークへの対応も、スムーズだっただろうな

「コロナ前から、台湾、韓国、フィリピンといった海外オフィスも立ち上げて、場所にとらわれないゲームの製作・運営の体制を築いてきましたからね」

ひろみ

そういった成功している若い企業が、今後の新しいオフィスや働き方のスタイルを築き、時代をリードしていくことになるんだよな

「とりわけゲーム業界は、日本が世界に誇る産業ですものね。僕も、オンラインゲームは、結構はまっています」

ひろみ

そういえば、うちの息子も、ボイチャで仲間と一緒にオンラインゲームやってるなぁ。女房はネットフリックスでよくドラマをみてる。豪邸ならまだしも、日本のマンションはそういう造りにできてないから、やたら家中が音であふれて騒がしいよ、最近。防音設備の需要が高まるかもなぁ。今は10万円前後で手軽に作れる防音設備も出てるからね……

「話が脱線してきたようなので、戻しますね。いよいよ、ゲーム開発会社A社の原状回復費の適正化を目指す最終局面に入ります!」

原状回復費で浮いた分を、未来の投資に!

「さて、今回の新宿マインズタワーとの交渉は、やり方しだいで原状回復費がさらに下がる余地があり、そのために裁判をする選択も浮上してきました」

ひろみ

裁判をしないなら、3500万円のラインで、交渉で折り合いをつける。裁判をするなら、3000万円以下に落とすことを目標に、法廷闘争をしていく。選択としては、そんなところかな

「裁判せずに交渉で収めるケースから、裁判を行うシミュレーションまで、幅広く提案できるのがスリーエー・コーポレーションの強み。最終判断はクライアントにゆだねます」

ひろみ

裁判は、やるときはやるよ。相手が大手で、担当がエリート社員であるほど、避けてくる傾向にはあるけどね。仮に、東京地裁で民事裁判をやれば、弁護士3人ほど必要になって、時間も費用もかかるから、500万円くらいはすぐ飛んで行っちゃうけどね

「結局、今回はクライアントも裁判をのぞんではおらず、お互いの弁護士同士の交渉で、原状回復費3500万円という金額で合意することになりました」

ひろみ

今回は、裁判で勝っても、費用がかさんでメリットはあまりないから、回避して正解だと思うよ

「初回見積7700万円から、4200万円の減額(削減率54.54%)で、最終合意金額は3500万円となりました。敷金返還請求で、A社には敷金1億4182万円が事前に戻っていましたから、そこから3500万円を支払って決着しました」

ひろみ

原状回復費の交渉で浮いた分の費用は、この変化の激しい時代を生き抜くためにも、是非とも新しい働き方や環境づくりなど、未来への投資に活用してほしいよね