「原状回復査定」ってこういうこと
萩原「原状回復・敷金」裏を語る
コロナバンデミックスは、全国413万社の中小規模個人経営を直撃しました。借入金はコロナ前の3倍。まさに生き残りをかけてデジタルシフト、業態変化、事業再構築、企業再生に果敢に挑戦しています。
その時の最大の障壁となるのが移転元の原状回復、移転先のB工事の指定業者による工事費高騰問題です。
テナントの虎の子の財産である「敷金」は、原状回復義務を履行しないと返還はありません。
そこで、納得できない経営者の為に「中小規模原状回復敷金返還相談センター」を開設しました。かなり多くの相談をいただいています。これが自分にできる社会貢献と自負しております。
※相談センターはこちらからどうぞ↓
借りたものを、もとに戻して返すのが「原状回復」
では「原状回復」とは何でしょう?
よくある間違いは、「現状」と「原状」です。「現状」は今ある状態のこと、「原状」は借りた時を原状と定めた状態です。今の状態「現状」を復旧する事は物理的に不可能なので、「原状回復」が正しいです。
入居工事は、「原状」と定めた状態を変更する工事だから「原状変更」となります。
「社長!今日はよろしくお願いします!」
おう。よろしくな
「前から聞きたかったんですけど、ヒロミ社長が手がけている、原状回復査定って何ですか?」
オフィス移転の際に、借りていた物件の内装を契約書、原状回復特約の内容に基づいて、貸主借主が原状確定した状態に戻す、それが原状回復。「復帰」「復旧」「回復」も同じ意味なの。そのとき請求されるのが原状回復費で、敷金では足りない。こんな変な世の中なんだ
「むずかしいので、5歳児でもわかるように説明してもらえませんか?」
借りたものを、もとの状態にもどして、返すこと。たとえば、AくんがBくんからクレヨンを借りたとする。1 cm分使ったら、それをもとにもどして返すということだよ
「えっ? クレヨン1cm、使ったら、もどせないですよね……?」
オフィスもそうなんだよ。実際には、20年前とか10年前とか借りたオフィスを、借りた時の状態に完全にもどすことはできない。だから、床壁を張り替えたり、壊れたところを修理したりして、元に近い状態にするわけ
「ようするにリフォームにかかる費用が、原状回復費ということなんですね」
しかし120年ぶりに民法改正が実施されたんだ。原状回復は民法改正第621条で原状回復の定義、範囲、復旧工事項目を明文化して証を残し、借り主に不利益な事は説明して理解させる事が貸主責任となったんだ。
店舗はスケルトン戻しが多い。それもどこまでスケルトンにするか明文化しないと、法務根拠の裏付けがなくなる。
だから、一歩公正に近づいたってわけ
ジャイアンのように高額請求されることも!?
ジャイアンは単細胞でわかりやすい。ところがビルオーナーは大金持ちで強かなの。
原状回復で問題なのが、リフォームに高価な資材を使ったり、直す必要がないところまで直したりして、グレードアップの高額な見積もりを提示されること
「もともと借りたのはクレヨンだったのに、『クレパスが欲しいから、300円寄こせ!』、みたいな感じですかね?」
築20年のビルに入居して10年借りたら原状回復は30年前に戻すことになる。当然、貸主は次のテナントから選ばれる環境にやさしくデジタルをフル活用できるオフィスや店舗というワークプレイスにしたい。
そこで借主に負担させるため原状回復特約で縛り、何でもかんでも新品交換させる原状回復と言う名のグレードアップ工事を目論むわけ。コレが高額請求問題の最大の原因よ。
もう1つは、「原状回復工事は貸主の指定する業者以外施工させませんよ」という独占により価格競争をできない様にしとるわけ
ようするにオフィスを借りた会社は、何を使ってどこをどう直すかなんてわからないから、原状回復費用の請求額はビルオーナーのさじ加減ひとつになってしまう。
ビルオーナー側は知見力があるから、借主自身では太刀打ちできないのが現実なのよ
「なんだか、エグイ商売ですね。まるでジャイアンじゃないですか」
それに近いところはあるよね。ビルオーナーが財閥系グループの大手だったりすると、今後の関係を悪化させたくないあまりに、言い値をそのまま受け入れてしまうこともある。そんなブラックボックスにメスを入れるべく、原状回復費の適正な査定をしてるってわけ。
原状回復査定って、工事内容を賃貸借契約、原状回復特約に基づいて全てを裸にすること、「ミエルカ」のこと。インテリで大金持ちの既得権益者と戦う為には、大義という錦の御旗と「原状回復適正査定」というエビデンスが必要なの
「ヒロミ社長、ヒーローじゃないっすか。見た目は恐いですけどねぇ……」
何が恐い!ジェントルマンと自分は思っとる。
でも世間は既得権益者にあらがう大馬鹿者と思ってるのも事実だな。
漢の生き様、自己評価も引退も全て自分で決める!コレが武士の流儀なの