Q11 通常損耗、特別損耗とは?

民法では、原状回復義務は、通常損耗と特別損耗に区別しています。

①通常損耗
通常の使用による損耗を指し、貸主の負担とされています。

②特別損耗
賃借人の特別の使用により損傷を与えた貸主の資産に対し、修繕・修復を指します。補修費と理解すればよいでしょう。

原状回復義務において、経年変化・劣化、通常損耗は貸主の負担とされますが、特別損耗は借主負担です。建物の残存価値の問題もあり、新品に取替するか、補修で良いのかなど、費用が大きく違います。

尚、賃貸借契約に通常損耗もすべて貼替など、賃貸人・賃借人合意のもと約されている場合(以下、原状回復特約という)、原状回復特約が原状回復の基準となります。賃貸借契約締結の際、原状回復義務内容を熟読し、充分に内容を理解し、契約締結しましょう。契約内容は、専門性が高い為、専門家に相談する事をおすすめします。